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濱野大輝(樹乃倉 厳 役)と新崎瑞季(草野 雫 役)のオフィシャルインタビューが到着!

TOKYO MXほかにて放送中のTVアニメ『ふたりソロキャンプ』で、主人公・樹乃倉厳役を務める濱野大輝と、ヒロイン・草野雫役を務める新崎瑞季のオフィシャルインタビューが到着した。インタビューでは、オーディションやアフレコの思い出から、絵作りや音などリアリティが追求されているアニメ本編の魅力について語る。

濱野大輝(樹乃倉 厳 役)×新崎瑞季(草野 雫 役)オフィシャルインタビュー

ーー原作を読まれた感想をお聞かせください。

濱野:これは現場のみんなも言っていたことなのですが、描き込みの細かさ、情報量の多さから来るリアリティがあるので、読んでいて自分もキャンプをしているような気持ちになるんです。厳と雫が出会い、ふたりでソロキャンプをしていく奇妙さと面白さ。そこからふたりの関係だったり、各々のバックグラウンドが描かれていくと人間味がすごく出てくるんですよね。そうやって、何層にも面白さが詰まった作品だと感じました。

ーーキャンプギアも実在するものがそのまま出てくるのが、リアリティがありますよね。

濱野:そうなんですよ。現実とリンクしているから没入できるんです。以前プライベートで佐世保に行ったとき、出端祐大先生のご両親がやられているお店に行ったんです。そこで実際にお父様にお会いして、話を聞いたのですが、先生は幼少期からキャンプをされていたそうで、そういうバックグラウンドがあるからこそ、この物語が描けるのだなと思いました。

新崎:最初にタイトルを見たときに、“ふたりソロキャンプ”って何だろう?と思ったんです。ふたりならソロじゃないじゃん!と。でも原作を読んで、なるほど!と思いました。そして、ソロキャンプをやってみたいけど、ハードルが高いと思っている人にとって、すごくいいきっかけになる作品だと思いました。そこにプラスして、厳さんと雫ちゃんの関係が、どんどん親密になっていくところも描かれていくんですよね。キャンプだけではないところも、私的に好きでした。
ーーオーディションでの思い出はありますか?

濱野:昨今のアニメの中で、ここまで登場人物が少ないアニメもレアだなと思ったんですけど、その分、ひとりひとりのキャラクターが受け持つストーリーのウエイトが大きいので、どんなアプローチでいくのが正しいんだろうと思いながら演じました。暗くなり過ぎてもいけないし、かと言って元気ハツラツなのも違う。そのあたりのバランスは、オーディションのときからディレクションをしていただいたと思います。ただ厳さんは34歳で、僕と年齢も近いので、あまり飾らずに演じた記憶があります。

新崎:最初はテープオーディションだったんですけど、とにかく美味しそうに食べる演技をしたんです。セリフも、「うんま〜〜」がいっぱいあったんですよ(笑)。これはいかに美味しそうに表現できるかだと思ったので、楽しみながら録りました。自分の中で、これは絶対に美味しく食べられた!と思ってはいたんですけど、まさかスタジオに呼んでもらえるとは思っていなくて……。この作品が、私にとって人生初のスタジオオーディションになりました。スタジオでは、わからないことだらけで緊張しましたけど、わからないからこそ、雫ちゃんみたいに素直に演じてみよう!と思って、自分の持てるありったけの素直さで演じさせていただきました。だから合格の連絡を聞いたときは、本当に信じられなかったです。

ーーそこから第1話の収録では、どのような役作りをしていきましたか? まずは樹乃倉 厳からお願いします。

濱野:30代の前半って、趣味や仕事において、自分なりのこだわりが芽生え始める頃だと思うんです。僕もサッカーが好きで、誰にも譲れないこだわりを持っているので。厳さんが、幼少期に父親から教わったキャンプにただならぬこだわりを持っているのは、すぐに理解できたので、自分の中にもある、そういうこだわりを厳さんに置き換えながら演じていくような感じでした。また、作品は厳さんのモノローグから始まるので、この作品の世界観を、どう視聴者の方に感じてもらうのかは、音響監督や監督と話をしながら、綿密に作っていったことを覚えています。視聴者が、ここから始まっていくんだというワクワクを感じていただけるよう演じました。

ーーちょっと怖い印象というのも、しっかり表現されていましたね。

濱野:独りの時間を楽しみたいときに、雑音は入れたくないでしょうからね(笑)。厳さんは普段から無愛想なところがあったりするんですけど、それは彼の人見知りなところから来ているかわいげだったりもするので、イヤな感じではなく、人間臭さというか、不器用で等身大な感じが伝わってくれたらいいなと思っていました。そもそも言葉遣いも古臭い感じがあるから、オヤジっぽいところがあるんですよね(笑)。でもそれも、あのふたりの関係性だから成り立っているのかなと思います。なんせ、あんな最悪な出会い方をしていますから(笑)。
ーーいきなりビンタされていましたからね。新崎さんは、濱野さんが演じる厳さんの声を聞いていかがでしたか?

新崎:濱野さんが演じられていた厳さんが、私が家でイメージしていたそのままで、現場でも、厳さんそのものだったんですよ。

濱野:あら…?

新崎:いや、これは怖いという意味ではなくて、普段はすごく優しい方なんですけど、収録が始まると厳さんそのものになるんです。だから厳さんだ!と思いながら、雫を演じていました。最初は怖い印象もあるんですけど、結構雫も高圧的な物言いをしているんですよね。でも、それを上回る無愛想さだったので、雫としても反論が言いやすかったんです。あと、雫が作ったごはんを、どやー!って出したときに、本当に良いリアクションをしてくれるんですよね。それがすごく伝わってきたので、私自身も、ふふーんって(ご満悦な)気持ちになっていました(笑)。

ーー確かに、この厳さんだったら、どれだけ強く当たっても大丈夫そうですね。

新崎:濱野さんが演じる厳さんを負かしたい! 言いくるめたい! 美味しいと言わせたい!と思いながら演じていました。

濱野:でもアフレコも、そんなに経験がなかったんだよね?

新崎:はい。アフレコがどういう段取りで進むのか、収録がどんなものなのかもわからない状態でした。だから、皆さんが厳さん(師匠)みたいな感じでした(笑)。

濱野:第1話の中でも、どんどん雫ちゃんが出来上がっていくのが見られたから楽しかったし、お互いテイクは重ねたけど、それにめげずに付いて行くところは、雫ちゃんと重なるところがありました。

新崎:ありがとうございます!

ーー20歳のキャンプ初心者である草野 雫は、どう演じていきましたか?

新崎:この子は、自分の想いに素直な子なんだなと思いました。ただ、厳さんほどはバックグラウンドが見えているわけではないんですよね。だからきっと、今を生きている子なんだろうなと思って、周りで起きていることを純粋に受け入れて、それに対して素直に反応できるよう、感受性豊かな子にしたいと思って、演じさせていただきました。自分の緊張も相まって、上手く表現できないところもあったんですけど、アドバイスをいただいたり、何度もリテイクを重ねて、最終的には納得がいく形で、第1話の収録を終えたので、ホッとしました。

ーー自分が持っていった雫から、変わったりもしましたか?

新崎:周りの方の演技を聞いて、変わっていったところは結構ありました。アフレコ前に書いた自分のメモを、テスト(収録の本番前に、キャストが通しで演じること)後に、くしゃくしゃって消すところも結構あったので。

ーーそこで、自分の持っていったものを捨てられる勇気はすごいです。

新崎:それも「負けない!」っていう気持ちだったんです。雫ちゃんが作中で頑張っているから、私も同じ気持ちでした。

ーーそもそも、雫と似ているなと感じた部分はあったのですか?

新崎:思い立ったらすぐに行動するところは一緒だと思います。第1話でも、テントを借りればいいやという感じでソロキャンプに来ているし、テントなしで一晩越そうとしていましたからね。でも私も、声優を目指したとき、本当はいろいろ考え、しっかり準備してから動くべきなのに、やりたい!という気持ちだけで動いていたんですよね……。あと、食べることが好きなこと、美味しそうに食べるところも一緒だなぁと思いました。
ーー濱野さんは、新崎さんが演じる雫はいかがでしたか?

濱野:第1話の雫って、特にハチャメチャじゃないですか。図々しさもあるし、話の通じなさもあって、大人の厳さんや僕自身の感覚でも「おい、どうなってるんだ?」と思うようなところがあるんです。でも、それをイヤに感じさせないんですよね。それは新崎さんが言っていたように、素直に心から言っているからなんだなと思いました。図々しいし押しも強いけど、その中に絶対に曲げないぞ!みたいな信念があるので、仕方ないなぁと、こっちが折れて助けたくなる。そういう人間的な魅力が雫ちゃんにあると思いました。きっとそれは新崎さん本人から来るパーソナリティーもあるから、伝わってきたんだと思います。

ーー第1話を見ていかがでしたか?

濱野:アニメのクオリティが本当に高かったです。キャンプサイトの情景、焚き火の表現、音もこだわって作ってくださっているんだなと感じました。絵や音や香りまで伝わってくるような細かい描き込みがされている原作なので、アニメーションでどうなるんだろうと思っていたんですけど、かなりこだわって作ってくださっているのがすぐに感じられたので、僕らも負けないように、芝居もそれに乗っかっていかなければ!と思いました。

ーー空気感まで伝わってきますよね。

濱野:本当ですよね! ある意味空気感がすべて、みたいなところがあるじゃないですか。それが色んなところから相乗効果で感じられる第1話だったと思います。

新崎:私はダビング作業を見学させていただいたので、SEやBGMへのこだわりもすごく感じることができました。焚き火も、今はこういうパチパチ音だけど、このシーンでは時間が経っているから、また違った焚き火の音にしようとか。本当に細かいところまで考えて作られていたので、リアルだなぁと思いました。アフレコ時は、風景が映るシーンで、ロケハンで撮った実際の写真が貼られていたんですよ。それが絵になっても忠実に表現されていて、実際にキャンプ場にいるような感覚になりました。

濱野:本当に、プロの仕事だよねぇ。

新崎:私、キャンプに行ったことがなかったので、キャンプ場の雰囲気や音って、どんな感じなんだろうと想像するしかなかったんですけど、完成した映像を見て、こういう感じなんだ!と思いました。あと、細かいなと思ったのは、厳さんは電車に乗ってキャンプ場に行くんですけど、その電車の音も忠実に再現されているんですよね。本当にこだわりがすごい!と思いました。

濱野:実際にあるキャンプサイトだからこそ、そこに嘘があっちゃいけないからね。
ーー印象的なシーンはありましたか?

濱野:毎話、ごはんを雫ちゃんが作って出してくれるんですけど、それを出すとき、必殺技みたいな感じになるんですよ。これでどうだ!みたいな。そこのカッコ良さですね。ここはスタッフさんもかなりこだわっていた印象がありました。「これを見て、視聴者の方が美味しそうって思うんだからね!」と、新崎さんがプレッシャーを掛けられていたんですよね(笑)。

新崎:「このタイトルが全てだから!」と言われていました(笑)。

ーー第1話だと、ビア缶チキンでしたね。

新崎:アフレコ中にリテイクが多かったのは、ごはんのタイトルなんですよ。

濱野:でも、ビア缶チキンはインパクトがありましたよね。だって、まるまる一羽持ってきていたということだから、すごいですよ(笑)。ごはんシーンは、毎回の演出だったり、雫ちゃんの言い方も楽しみにしていてほしいです。

新崎:お腹も空きましたよね?

濱野:そうだったね。朝収録で、ちょうど料理が出てくるシーンが、お昼時になるんですよ。みんなグーグーお腹を鳴らしながら録っていたんです。

新崎:鳴らしちゃいけないと思うけど、美味しそうだから見てると鳴っちゃうんですよね(笑)。
ーーそれと、キャンプのHow to要素も多かったですね。

濱野:毎回学びばかりでした。キャンプの暗黙のルールも説明してくれていますし、キャンプギアのいろいろ、焚き火の仕方など、準備のところから細かく描写してくれているので、これを見ればすべてが分かるとまでは言わないですけど、キャンプの入門として、色んな知識が得られるのが『ふたりソロキャンプ』の魅力だと思います。

新崎:私も何もわからないに近い状態で始まったので、雫ちゃんと同じ疑問が浮かぶんですよ。これは何でこうなの?ということに対して、すぐに答えをくれる。厳さんがこれまでキャンプをしてきて培ってきた技術や知識やマナーを分かりやすく説明してくれるアニメなので、本当に良いなぁと思いました。

濱野:みんなにキャンプに行ってほしくなるアニメなんです。だから僕も、今年はキャンプに行こうと思っています。

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